たべもののはなし

食べることばかり考えてる

チロルチョコと都会

そもそもチョコレートが本当に本当に本当に大好きで、チョコレートのある宇宙をとても大切にしたいと思っているし成長期に食べ過ぎたせいでカカオに過敏な体質になってなお愛し続けている私である。

 

しかし今日はあえてチョコレートそのものではなくチロルチョコを語ろうと思う。

 

チロルチョコに対して特別な感情を抱いたのは小4、英検を受けるべく母親の友人の娘さんa.k.a超イケてるアネキに勉強を習ったときのことだ。

 

アネキは色々教えてくれた最後に、

「もう教えることないじゃーん!あ、でも当日チロルチョコ持ってくといいよ!」

というアドバイスをくれた。

 

ものすごく頭のいいアネキである。彼女にとってチロルチョコはどれほど特別なのかと思い聞いてみると、

 

「え?甘いものは脳にいいから!」

 

という世の中によく聞く通説の中でもトップのやつを返されて面食らった。

 

しかし私はくそまじめなのでアネキのアドバイス通りチロルチョコを忍ばせていった。そこで気づく、チロルチョコはすばらしい。

 

まず小さな個包装なので携行しやすい。並大抵の個包装ではない。よくある大袋のお菓子などは一つ一つの袋に余りがあるが、チロルチョコにはそれがない。ストイックに「包む」という事象を体現している。

食べるのも簡単だ。一粒が大きくて満足感も高い。強めの甘さが広がって脳どころか心まで癒される。数多くのフレーバーがあり飽きずに楽しめる。幸い試したことはないが大体のチロルチョコは一粒50kcalを超えるので試験中に遭難しても大丈夫だ。

 

試験はとても集中できた。頭脳明晰なアネキが教えてくれた頭が良くなるおまじないである。

 

以来、大切な試験や面接などの前は必ずチロルチョコを携行していた。お守りのようなもので、これを食べると頭が良くなるとまで思えるものを持っているとものすごく強くなれる気がする。試験前のおまじないに、試験後のご褒美に、チロルチョコはいつも寄り添ってくれていた。そんなわけでチロルチョコはいまも私のお守りだ。

 

どの味も素晴らしいがミルク味を安定して発売して下さるのには感謝の気持ちでいっぱい。塩バニラ、きなこ、クロワッサン、抹茶、グラノラ、みたらし、ホワイトクッキー、モーツァルトチョコ風味なんてものもあった、どれもこれも愛してやまぬ。

 

チロルチョコを食べ始めてから終わるまではちょうど歩きながら道端に咲いてる一輪の花を見つけ、眺め、余韻に浸る、くらいの時間ではないか。しかしトーキョー砂漠には街路樹は多かれど道端の花はそう多くはない。なので私はコンビニに寄るのだ。

 

ひとくち、という美しい日本語をこれほどに尊重してくれるお菓子があるか。私は今日も都会に咲く花を求めてしまう。

 

チロルチョコ、大好き。