たべもののはなし

食べることばかり考えてる

ヌガーファンタジー

これぞ外国、という感想を持たせる食べ物はたくさんあるが、私にとってのそのうち一つがヌガーである。

 

ヌガーという言葉を認識したのはハリーポッターを読んだ時が初めてだった。ハグリッドがくれる糖蜜ヌガー、上顎と下顎ががっちりくっついてしまうやつ。

 

私はボンタンアメとハイチュウに育てられたと言っても過言じゃないほど歯にくっつく食べ物を愛しているのでそのヌガーなる食べ物とは一体どれほどのものかと心が踊った。

 

実物と対峙するのはそれからずっと後だ。私はチロルチョコが大好物であるが、時折コンビニに売っているコーヒーヌガーのチロルチョコというものがある。それは普通のチロルチョコを横に二つ並べたくらいのサイズ感で、パッケージが、なんというか、「元祖」っぽい。

お気づきであろうが私は強欲で食いしん坊なのでそのサイズのチロルチョコなんて絶対うまうまやんと思って購入し食したところ、そこにいたのだ。ヌガーが。

 

もうめっちゃ強い甘さ、とにかく甘い、砂糖に飽和量ってないのかしらと思うくらい甘く感じて、キャラメルとはまた違った感触で歯と歯にもくっつく!最初に抱いた感想は、これは絶対、和食には存在しない!であった。

 

その後の人生で何度かヌガーに出会ったが、どれもとても美味しいものの落ち着く感じはしない。おそらくは遠い国で生まれた食べ物である、と体が判断しているのではないだろうか。或いは、ある程度年齢を経てから出会った食べ物であろうか。

ヌガーに出会うとハリーポッターの世界に想いを馳せる。歯どころか上下の顎がくっつくほどの糖蜜ヌガー、私が普段人間界で食べられるヌガーよりもきっとずっと甘く、ずっとハイカロリーで、なんとなくではあるが、ずっと大きそうだ。

 

ヌガー、大好き。