たべもののはなし

食べることばかり考えてる

羊羹=味付き生命維持装置

羊羹は単なるお菓子とは異なる意識で接してしまう。ぎっしりと詰まった小豆感、一瞬の隙もない糖分、あれはエナジーバーである。

 

「疲れた時には甘いもの(はぁと」が通用しないくらい疲れてしまった時、あと1時間睡眠が短かったら倒れてたと思うくらい体がしんどい時、一日中動き回るのが見込まれる時、私はコンビニでミニ羊羹の姿を探す。

 

ミニ羊羹、あれすごくいいのだ。チョコレートと違って溶けず、硬くなりすぎず(以前、極寒の中で仕事する際スニッカーズを持参したが凍ったスニッカーズは歯を折る凶器と化した)、目が醒めるほど暴力的に甘くも適量、箱も潰せて省スペース、食べるのにもさほど時間はかからず、エナドリと違って体の負担も少なく、なにより美味しい。もはや娯楽でも嗜好品でもなく、気つけ薬とか味付き生命維持装置とかそんな気持ちになることもある。ご褒美にもなる。

 

なので私は羊羹というものを考えた人に大いに感謝を捧げたい。これがあるから私は頑張れる。戦わねばならぬ時、耐えねばならぬ時、乗り越えねばならぬ時、もう私を甘やかしてくれるのは羊羹だけ。でもその甘やかし度合いがハンパじゃないから元気になっちゃう。実に小悪魔である。

 

どんな羊羹も割と好きだ。薄めの甘さで滑らかな喉越しの水羊羹も、ほっくり甘い芋羊羹も、芸術のような美しい細工が施されたゼリーが乗ってる羊羹も好き。

 

ただ、ギッチギチに甘い"the・羊羹"はもはや「好き」を超えた。バディなのか白馬の王子様なのか救世主なのかわからないけど、辛い時の私の舌と脳と体力を充分に繋いでくれる。なので今後も末永くこの世界に存続してほしい。

 

そしてごく狭いラブコールだが、コンビニやとらやさんにあるようなミニ羊羹、あなたたちには永遠の栄光と繁栄を願います。愛してる。

 

羊羹、大好き。