たべもののはなし

食べることばかり考えてる

シャーベット、季節と欲望について

もっぱらアイスはクリーム派ではあるが、しかしこう暑苦しい日々が続くとどうにもシャーベットへの憧憬が募る。

 

シャーベットは不思議だ。ヒヤリとした食感を感じて、あ、冷たい、と思った時にはもう舌の上で溶けている。飲み込むと冷たさが体を通っていく感じが伝わり、目を閉じれば甘さと香りが夏の暑さに還っていく。

 

柑橘や桃など色々美味しいシャーベットはあるが、何せ夏に食べるからだろうか、私は南国の果実の風味のやつがたまらなく好きだ。マンゴー、パイナップル、パッションフルーツあたりは本当に本当に、酷暑の中でも目の覚める美味しさ。基本、夏の暑さは煩わしいがこういったものを食べるときは夏がいいと思う。

 

厳冬に食す鍋もそうだが、苦しい気候さえむしろ楽しむための要素に変えてしまうのだから、つくづく食べ物というのは不思議だ。勿論、その時々を少しでも快適に過ごすために、もしくは少しでもより楽しむために生みだされてきたのであろう。しかし、鍋を食べるにはまだ暑いな、とか、アイスを食べるなら暑い時がいいな、など食べ物をより楽しむために季節を待つことだってある。その点がなんとも面白い。

 

そしてそんな食べ物の一つが、私はシャーベットなのである。時はきた。コンビニやスーパーのシャーベットも実に美味しいが、今年の夏は少し贅沢をして31で食べようと思っている。ワルな大人なのでね、欲望には忠実にいくんだ。

 

シャーベット、大好き。