たべもののはなし

食べることばかり考えてる

リゾットエクスプローラー

美味しいものと美味しいものを掛け算したらより美味しい!という原始的極まりない思考を、しかし実践することによって生まれたであろう「サムシング美味しい」のなんと多いことよ。

 

例えばカツカレーとか、例えばあんぱんとか、例えば生ハムメロンとかが私にとってはその部類であり、どれも非常に美味しい。

 

それらの部類に考えうる中でもやたらに美味しく、なおかつ個人的に好きと好きの掛け算でもあるのが乳製品(大好き)と米(大大大好き)の掛け算、リゾットである。

 

「○○嫌いな人っているのォ〜〜!?」という食べ物の褒め方は時々聞くが、リゾットは食べるたびにガチでそう感じる。リゾット嫌いな人いる?大体リゾット好きじゃない?私も大変好きなんですけどね、多分どんなにタチの悪い喧嘩をしてアイツと私は違うと感じてもそんなことはないんですよ、リゾットが好きな人類という共通点は消えることはないから。ある種の強すぎる呪いのような魅力。リゾット。

 

白いソースで包まれ、フクフク艶々としたお米たち。立ちのぼるチーズの香りに食欲が抑えられない。スプーンを入れるとムチッとした食感がもう伝わる。ポテっとした一口を食べたらもう、もう、胡椒の香りを突き抜けてお米とミルクとチーズと具材の風味が広がってあァ〜〜〜である。ヘヴン。美味しいと美味しいが合わさって奏でるのは完全なるハーモニー、調和、世界の真理、幸福のイデア

 

数えきれないほどリゾットを食べてきたが、未だに忘れられないのは魚金で食べた半円に切られたはちゃめちゃデカいチーズの断面に既に美味しそうなリゾットを置いて、お店の人が見事なスプーンさばきで巨大チーズを蕩かしながらダイレクトにリゾットに絡めて作られた逸品。

 

本当に美味しい。絶品。背徳すら感じた。「太っちゃう〜〜!」とかではなく、「エッアッこんなに美味しいものを食べていいのか…?そんな大層な生き方なんかしていないのに…」という感じのアイデンティティに関わりかねない背徳感だ。

 

どんなお店に入ってもリゾットがあるなら是非食べたい。そうやってリゾットエクスプローラーの旅を続け、その度にクゥ〜〜やっぱりウメェ!!!と唸り、味覚を持って生まれたことを喜ぶことで人生を愛そうと思う。

 

リゾット、大好き。