たべもののはなし

食べることばかり考えてる

弁当事情2〜温もりを求めた先に〜

昨年、このブログで意外にもたくさん読んでいただいてたのが弁当事情 - たべもののはなしであった。弁当作りはあの時から細々と続いており、とても楽しいランチタイムを送ってきた。

 

しかしながら、時は進む、季節は進む。寒くなってきたのだ。弁当を作り始めて初めての冬が来た。最初はお弁当なんてそもそも冷めてるからヨユーっしょw腐んないから勝利wなどと思っていたのだが…

 

冬の弁当というものは、冷めるではなく、冷える。夏場、これがあったら保冷できるよねってくらい冷たくなる。また体というものは、あったかいもの食べると体があったまるな〜〜!と胃に取り込んだ温度がもう直接的に作用するので、冷え弁当を食べると午後はなんだか寒くて疲れるなぁと思うようになってきた。冷え、おそるべし。

 

そこで私は、重大な決意をしたのだ。それは、友にしばしの別れをつげることである。

 

友というのは愛してやまない弁当箱、ライスボーイ。

シービージャパン 弁当箱 ブルー ライスボーイ 700ml DSK

シービージャパン 弁当箱 ブルー ライスボーイ 700ml DSK

 

未だこれを超える優れた弁当箱を知らぬ。軽くて洗いやすくて漏れなくて適量。本当に最高のお弁当箱。

私はライスボーイに対してもはや弁当箱というよりもこの社会を生き抜く戦友のようにさえ思っている。なので、彼に別れを告げることは本当に小さな決意であった。すまない。君がいるから戦えるんだ。けれど、この冬のフィールドを生き抜くには、君のクールさが少しつらいんだ(保温機能はない)。

だから、春になったらまた会おう。

 

さて、別れを告げて次なる友を探すわけだが、ここでおからの素晴らしさ(弁当事情1にも書いたが、私は弁当のご飯におからを混ぜて食べておりとても良い)を伝えてくれた友人がまたも知見を授けてくれる。

 

彼女は最近、激安八百屋を近所に見つけて、大量に買った野菜をスープにしてスープジャーにして日々職場に持参しているのだそうだ。スープジャー!あったかいし、スープなら野菜も採れる。ライスボーイほど軽くはないが、機構がシンプルなので運搬が辛いほどに重くはないだろう。温もりを求める私に希望の光が射した。

 

いくつか見て、一番好きだったデザインのスープジャーはディーンアンドデルーカにあった。容量は300ml、ライスボーイのおかず部分が400mlとして、まぁ許容範囲だった。

 

 

スープジャーには木のスプーンがいいとのことで合わせて購入。これがまた非常に良かった。当たってもカツカツ鳴らないし、中に傷がつかない。その上、ディーンアンドデルーカのスプーンは角度が絶妙にスープジャーにマッチして底まで満足にすくい切れる。

 

初スープジャー。

初回はかぶと絹さやと豚肉でスープを作ってみた。1人分なので小さなフライパンの3分の1程度に水を張り、沸騰したらいちょう切りのカブを投入。透き通ってきたら下味をつけて冷凍していた豚肉をレンチン解凍のち細かく切って投入、絹さやも筋を取って少し切ってから入れる。一煮立ちして良い香りがしてきたら(蛇足だが、この「良い香りがしてくる」という変化をこよなく愛し重要視している。素材が料理に変わる瞬間の変化)、鶏がらスープをほんの少し。

 

フタをして、頃合いを見て味見…と、それは衝撃だった。え?スープって、、あったかくて、野菜の旨味が滲み出てて、こんなにも美味しかったっけ。こんな美味しいものが明日のお昼に待ってるの!?と一気に楽しみになった。

 

して翌日。スープを温め、ジャーに少しずつ入れる。意外にも沢山入って、フライパンはすっからかんになった。スープジャーやるじゃん!

 

待ちわびたランチタイムにドキドキしながら開けたら…立ち上る香りにホワッと温もりが感じられて、もうそれだけで嬉しかった。一口食べたら、昨日の感動を思い出してとても幸せな気持ちに。火を通したから昨日よりも柔らかくなって味もしみてなおのこと美味しい。あったかいってこんなに嬉しいことなのかとしみじみ味わって食べた。

 

昨年の夏が信じられないほど、もっと言えばつい最近までありえない暖かさだったのも信じられないほど、最近寒い。きっと冬はまだ長い。なので、ランチタイムのお楽しみはこれからしばらくスープジャー。春になってまたライスボーイを使うことを楽しみにしつつ、明日のスープは白菜とホタテにしてみようかなどと考えを巡らす帰り道が最近の常だ。

 

弁当(冬バージョン)、大好き。