たべもののはなし

食べることばかり考えてる

茄子越しの人類愛

人類に料理という文化があってよかったと思うのは茄子を食べる時だ。

 

ナスはすごい。油も出汁もよく吸って馴染みほんとうに美味しくなる。熱を通してトロリと柔らかくなりのどごし滑らか。漬物にして瑞々しさの塊、夏のご馳走。肉と相性がいい気がする。炒めても揚げても煮ても美味しい、ナスは毎回、ほんとうに美味しく食べている。

 

しかし、素材そのままがおいしいというよりも料理に入ったナスが美味しい。生のナスって食べたことがないが食べようとも思わない。生のナスを切ったところで、美味しそうぅ…!!とならない。

 

しかしどうだ。火を通したり塩分を加えたりするとこんなにも美味しくなる。

 

似合う洋服を着ることで人間に個性や魅力が出るのと似ている。洋服だって人間独自の文化であろう。文化、文明、そういったものによって引き出される魅力は人間そのものどころかナスにまで及ぶ。

 

話をナスに戻すが私はやっぱりナスは油と合わせたい。素揚げして揚げ浸し、たっぷりのごま油で野菜炒め、天ぷらにして肉味噌かけるもよし。ナスと油を引き合わせる時いつも心踊る。

 

でもやっぱり水分とも合わせたい。というかナスの味噌汁のことなんだけど、ナスの味噌汁すごくいい。ナスだけでもよし、油揚げ入ってもよし、ミョウガ散らしてもよし。

 

決して料理が上手ではない私だが、ナスを調理しているときは無敵になれる。だってとりあえず美味しくなる。いくらでも食べたいし実際食べられる。ナス食べ過ぎてこんなにナス食べていいのかとなってみたい。

 

ナスに旬があってよかった、それが夏でよかった。ただでさえナスは美味しいのに、夏場がほんとうに楽しく過ごせる。偉大な野菜だ。ナスありがとう。

 

豚肉と炒めたナスを弁当箱に携えた車内にてナスへの愛を叫ぶ。

 

ナス、大好き。