菜の花はグラタン以外の食べ方を知らない
旬の野菜がスーパーや八百屋さんの店頭に並んでいると、季節そのものをお金で買うような気がしてウキウキしちゃう。わーい、労働で季節を買えるぞ!じゃあないんだけどさ
今の時期並ぶ菜の花もそれ系のお野菜。束ねられた深緑の蕾たちは、苦そうな花束みたいで美しい。
全然そんなことはないだろうけど、私があまり食べ慣れてないせいで、なんというか色んな草木を食べられるかどうか試している頃のご先祖さまってこんな気持ちだったんじゃないかなあって思うのだ。
あるいは花と名につくからかもしれない。菜の花を食材と認識することへのプリミティブな喜びがある。
菜の花はグラタンにして食べてから大好きになった。
たっぷりの菜の花を3サンチくらいの大きさに切って耐熱ボウルにラップでチンして出来立てのホワイトソースに和える。お肉や魚は入れたり入れなかったりして、グラタン皿に持ってとろけるチーズはたっぷり。焦げ目がつくくらいまでオーブンで焼いたら出来上がりだ。
ほろ苦さがホワイトソースとチーズのまったりに合わさって本当に美味しい。
んで、あまりにグラタンで食べるのが好きすぎてグラタン以外の食べ方を知らないのがちょっと悩み。
むしろグラタンで食べるやり方をあまり聞かなかったこともあり、菜の花の美味しさがグラタン以上に引き立つ食べ方があるんだろうなという思いだけは巡る。
やってみたい、が、しかし、いざ菜の花を見るとグラタンにしたくなっちゃうのだ。贅沢な悩みである。
「菜の花 レシピ」でググっても出てくる料理を見ると「グラタンの方が美味しそうだよねえ」となるし、菜の花を見ているとグラタンが食べたくなる。
おひたしにして辛子酢味噌で食べるのも、ベーコンとかとパスタに仕立てるのもきっと美味しいんだろう。でも、グラタンがいいなぁとなる。
菜の花料理は食わず嫌いならぬ試さず嫌い、作らず嫌いである。可能性を狭めるから○○せず嫌いは良くないとは思う、思いつつ…。
もしかしたら、ひたすらグラタンが好きなだけかもしれない。それはそれでいいことだ。
でもそれともやっぱり少しニュアンスが違う。
菜の花を作った神様。もう少し、季節を食べる喜びをグラタンでのみ味わうことを許してください。本当に美味しいんです。
菜の花グラタン、大好き。