たべもののはなし

食べることばかり考えてる

焼肉と女友達

私としたことが、や行をすっかり失念していた。ごめんね、やゆよ。いつも便利に使わせてもらってるのに忘れてしまった。

 

なので今日から「や」行、そして「わ」に進む。「を」「ん」は書かないが、なるべく日頃美しい言葉の中で使うことで許してもらいたい。

 

さて、今日は焼肉についてである。何より食べ物としての魅力が溢れて止まらない料理である。肉を、焼いて、食べる。このシンプル極まりないステップで生まれる美味しさがすごい。野菜も米もお酒もグイグイ進む。

 

でも、焼肉を好きな理由はそこそのものではない。シンプルなのに豪華なので、お祝いにもぴったりだし日常にも彩りを添えてくれる焼肉は女友達との時間が凝縮されている。

 

高校時代からの親友は焼肉がとても好きなので、誕生日を祝う時はここ2年ちょっといい焼肉だった。焼肉は値段に比例して肉の柔らかさと新鮮さが上がっていくと思う、毎回美味しい。

思えば彼女との食の記憶はもともと、通学路のファミチキだったり、イトーヨーカドーの地下フードコートのポテトだったりしたものだ。飲みの機会はいくらでもあっても、2人でゆっくり腰を据えた食の機会というのはなかなかどうして大事な出来事だったりする。脈々と続いて、今や美味しい焼肉になってたりするから嬉しい。

こないだなんてケーキの形に肉が並んだ若干サイコなケーキ(?)でお祝いをした。その肉がまた美味しくて生でも食べられたのだが、肉ケーキから直で生肉を食べる姿はなかなかどうしてシュールだった。楽しい食事だ。

 

もうひとつ別の友人の話をすると、2歳くらいから知り合っている彼女とは地元の焼肉屋でだいたい会う。ホルモン焼きの盛り合わせと山盛りのキャベツとビール。会話の内容はほとんどが浮かばれない恋だ。

 

この事象も私にとっては非常にエモーショナルで、なんなら彼女とは泥遊びとか童謡を歌うとかそのレベルの接触から始まっているので、まさか焼肉をつつきながらビールを飲んで恋愛のムズさを叫ぶようになるとはね、という感慨がある。だってもともと彼女との食事と言ったら給食と牛乳、話題はポケモンのアニメだよ?それが焼肉とビールが最高に美味しい歳になって恋や進路や悩んで、なおこんな風に喋れるのは嬉しい。

 

とびきりシンプルで特別な焼肉、それをこれからも彼女たちと食べては、ずっとずっと会いたいと思う。

 

焼肉、大好き。