たべもののはなし

食べることばかり考えてる

かっぱ巻きイマジネーション

人類を人類たらしめるのは想像力に他ならないとか聞いたり聞かなかったり言われたり言われなかったりするけど、いくらなんでも想像の産物をそのままネーミングに持ってくるのはすごすぎると思う かっぱ巻き。海苔、酢飯、きゅうりの芸術。サッパリ爽やかで、…

オクラ、梅肉、鰹節、お醤油

今でこそ日々の弁当生活を大変楽しんでいるが、最初からシャクシャク余裕で毎日いたわけではない。 むしろ、大皿に盛り付けて完成〜〜みたいな料理しか作ってこなかったな…と反省しきりの日々であった。量感もわかんない、作り置きの仕方もわかんない、味付…

えいひれバーニングファイア

かつて20歳が近づき、アルコールの存在が近くなるにつれ同じく歩み寄る足音が聞こえてきたのがエイヒレの概念だった。 イカの塩辛を筆頭におつまみというものは昔から大変好きで、オヤツやご飯のお供に食べていた。しかし"エイヒレ"というものは知らなかっ…

ういろうの速度

もう名前で勝ってる。「ういろう」、なんでかはわからないけど「君はまったくしょうがないなぁ…」という気持ちになってくる。名前っぽいというか、「ういろう」の「うい」から「うい奴め」「初々しいのう」とかを連想してるのだろうか。なんか私の心には謎の…

苺スウィートメモリー

苺って好きだ。もうあれは「可愛くて甘い」の記号でもある。友人が「ヤシの木が陽気さと温暖な気候の記号」という蓋し名言を残しているが、それと似た気持ちで見ている。 事実可愛いしとっても象徴的である。苺そのもの、食べ物としては勿論、味も香りも色使…

赤福の水面

まずは更新が滞っていた理由を言い訳する。 このブログは大体通勤電車で書いているのだが、最近図書館で借りた本があんまり面白くて読み直していたら「はよ返せ」と言われてしまったため急いで電車でも読み返していた。 『イカの心を探る』と言う本だ。これ…

わたあめと時間

子供の頃、大人たちは「時間がない」「若いうちに」「すぐ年取っちゃう」って皆言うなぁと思っていた。 ただでさえ目に入るもの全てが刺激的で新鮮で面白い時分であったため、目に見えない"時間"という概念についてそこまで言われても実感は持てずにいた。い…

ロールケーキは安ウマの長

安く、なんなら100円くらいで売られている大体4個入りのロールケーキほど、「安くてもこんなに美味しい」を感じる食べ物はない。 ロールケーキは本当に種類が沢山あるが、どんなに値段が高くてもどんなにフルーツがたっぷり入っていてもどんなにクリームがミ…

蓮根とドーナツホール

蓮根の、特にきんぴらがめちゃめちゃ大好きである。トントンと薄切りしたのちアク抜きで酢水につけ、ゆすいだら酒砂糖みりん醤油いりごまでガーーー!っと炒める。唐辛子を散らしたり散らさなかったりしてそこはお好み。ちょっぴり酸味が残り、風味豊かでシ…

ルイボスティーにビビる

沸かして冷やしてあるお茶というものは割とどこの家庭にもあると思うが、うちの場合はそれがなぜか昔からルイボスティーである。ルイボスティーの健康効果も特によく知らない頃から飲んでいる。(うちの誰もが「なんか、体にいいらしい」程度の認識である) で…

緑茶inニューヨーク

20歳の冬に、ひとりでニューヨークに赴いたことがある。 生まれてすぐの時から「あなたの、アメリカのお婆ちゃんより」という文を添えて毎年毎年クリスマスプレゼントを贈ってくれていた、父が大学生の頃の留学先のホストマザーに会いに行くためだ。この時の…

ライチとお洒落

オシャレな人に接するたび、「オシャレな人はいったいどこまでオシャレなんだろう?」という疑問を抱く。 本当にオシャレな人は、思いもよらない些細なところ、ディテールのディテールまでオシャレ。私はどうにもオシャレというものは疎いが、彼ら彼女らはき…

ヨーグルトを長めに

とても好きなのだ。ダノンヨーグルトの果実のみずみずしさとポッテリとしたヨーグルトのバランス、バニラヨーグルトの円やかな香りとふくよかな甘味、ギリシャヨーグルトの贅沢な満足感、プレーンヨーグルトの飾らない酸味と味わい。 最近特に好きなのは、カ…

ゆで卵と防衛本能

私は半熟にゆでたり焼いたりした卵がとても好きだ。トロリと黄色い黄身は本当に芸術品で、塩や醤油を垂らすだけであんなにも複雑かつ完成された味わいになるのはすごい。 「半熟」という名前も好き、卵の硬さが熱によって変わっていくことを熟すと表した人は…

ヤクルト絶対主義、私は乳酸菌の都市

「小さいころ誰もがヤクルトを思いっきり飲みたいと思う。その夢を叶えたのがヴィックルよ」 これは母に言われたことだが、果たして本当なのだろうか。 ヤクルトは数ある乳酸菌飲料の中でも一番美味しいと思う。味わい、濃さ、喉ごし、それらが唯一無二。数…

桃とモッツァレラ

桃、つくづく愛らしい。店頭に並び始めるとすぐに気づく。優しい丸み、色味、うぶ毛、香り、脆いことがわかる佇まい。たったひとつそこにあっても独特な存在感を放つ、美しさに心を奪われる。 果物そのものの魅力はもちろん、あまりにも浮世離れしていてファ…

メンマのふしぎ、あるいは奇跡

父の好みと母の忙しさから、毎週土曜日のお昼はラーメンという頃があった。サッポロ一番を筆頭にあらゆる家庭用ラーメンを食べた。 家ラーメンの良いところはトッピングが自在であるところなので、とりわけ好きだったメンマを爆盛りにして食べていた。 メン…

蒸しパンとカロリー経済

昨日からパン続き。しかし蒸しパンはパンといえどパンにあらず、どちらかというと私の中ではケーキ。芋が入っていようがカスタードが入っていようが極めて庶民的でハードルが低く、それでいていつ食べても幸せになれる度合いがピカイチの食べ物だ。 というよ…

ミルクパンの側にある人生

むかし、近所に美味しいミルクパンを売っているパン屋さんがあった。まん丸で柔らかくて、ほんのり甘く、とにかくよい香りがした。そのお店がオープンした時になんとなく買って以来私はとてもそのパンが好きになり、訪れるたびに親にねだった。 そのパンを買…

豆大福と許容範囲

豆大福、近年とってもすきなのだ。ふくふくと愛らしいビジュアルに豆粒がコロンコロンと表情豊か。お餅も餡子もたまらない甘さをしているが、その豆がちょっぴりしょっぱいことが甘さの中で非常に美味しい。 餡子の甘さもよりおいしくなり、豆の塩気も餡子の…

ホタルイカは栄養たっぷり

栄養という言葉が兎にも角にも好きだが、その存在は目に見えず、きっとあるはずだと信じるだけになっていることの方が多い。 しかし、その存在をハッキリと認識して以来大好きになった食べ物がホタルイカだ。 いつものようにスーパーを徘徊していると、やけ…

弁当事情

好きな食べ物をただただ褒めるか昔の記憶を探すか、がやたらに続いたので、日々の弁当事情を書いてみる。 ここ半年ほど昼に弁当を持参している。弁当は食べ物というよりも概念、まず私はその弁当というものをこよなく愛している。 弁当を持っていると本当に…

フルーツサンドと個性

フルーツサンドってすごく美味しい。 みずみずしいフルーツはガラスケースの中でもピチピチとカラフルでどうしても目がいく。買った時点でもうご機嫌で、これほど楽しい家路はない。たいがい翌日の朝食を買い求めるサンドイッチ屋さんだが、こればかりはすぐ…

火鍋越しの友人、地獄の夜にて愛

仕事が大変で長らく会えずにいた友人との再会の場は火鍋店だった。火鍋は食べたことがなかったけれど過ぎ去った今年の冬はやけに寒く、鍋ならあったかい上にスパイスで健康にだっていいだろう、辛さはまぁいいかと選んだのだった。 特徴のある食べ物を共にす…

ハイボールとの遭遇

「どうにもこうにも酒が飲みたい」 そういう思考になると、無意識に思わぬ挑戦などしてみたくなってしまうものだ。 そんなことを考えたのは、大学時代の友人と会うことになったとある夜である。詳細は忘れたがそのとき私は底抜けにポジティブで、「どうにも…

のど飴食べると人間でよかったと思う

のど飴というものについていささか懐疑的であったが、カンロの梅のど飴を食べてからというものその味わいにすっかり魅了され、むしろ進んで食べたいとさえ思うようになった。 カンロの梅のど飴はのど飴界の中でも相当に好きである。よくあるスティック状の小…

ネクタリン、美の果実

この夏はやたらに桃が美味しくて良い日々だった。いわゆるふつうの桃はもちろん、桃の仲間であるネクタリンもすごく美味しく食べた。 ネクタリン。もしも私が絵を描けたら、すごく描きたいのがネクタリンという果物だ。ものすごく美人な果物だと思う。 すれ…

ヌガーファンタジー

これぞ外国、という感想を持たせる食べ物はたくさんあるが、私にとってのそのうち一つがヌガーである。 ヌガーという言葉を認識したのはハリーポッターを読んだ時が初めてだった。ハグリッドがくれる糖蜜ヌガー、上顎と下顎ががっちりくっついてしまうやつ。…

ニューヨークチーズケーキ、移りゆく都市

ニューヨークはタイムズスクエアのど真ん中にある、「ジュニアズ」というカフェをご存知だろうか。私はとかくそこのチーズケーキに目がなく、ニューヨークに行く機会があったらどんなスケジュールであっても一度は食べにいく。 初めてニューヨークを訪れたの…

なめこのぬめり

家族でなめこのお味噌汁を飲んでいたある夜、祖父がうっかりなめこを吸い込んで咳が止まらなくなったことがある。 当時私は5歳位であったが、思い切って台所に走り、大きい椅子を引きずり出して水を汲んで祖父にあげた。祖父は無事それを飲んで落ち着いたが…